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雪組『愛 燃える』

<第10回>

▽雪組公演 宝塚ロマン『愛 燃える -呉王夫差-』
▽宝塚大劇場2001年10月~11月
作・演出・・・酒井澄夫
作品紹介・・・謀反と野望渦巻く、中国の春秋時代の呉の王城を舞台に、王と美女の恋物語を中心に繰り広げられる絢爛豪華な歌劇。
作品評★★★★★★☆☆☆☆
鑑賞日・・・2003年1月12日

▽春秋時代の呉国と越国との戦いの歴史的史実を元に、呉王・夫差轟悠さんと、越国から送り込まれた絶世の美女、西施月影瞳さんとの愛の物語。ラストは本当に燃えてしまいました。
“こうっぺ”燃える!

夫差は、西施がいわゆる工作員だと知りながら、その美しさに惹かれ愛するようになってしまうわけだけれど、その為に政治をおろそかにし国を滅ぼす結果となったのか、それとも、戦いつづけてきた人間がそのむなしさに気づき感ずる脱力的な空虚感から安らぎを求めすぎた結果、国を滅ぼす結果となってしまったのか。その両方が理由なんだろうけど、いわゆる純愛物で二人が自然と愛し合う形ではないので、その辺りの心理が難しく、素直に「あぁ二人は愛し合ってるんだ、愛し合ってたんだ」って納得しづらい部分はありました。
でも、打倒呉国のため策略を練り見事に果たす范蠡(はんれい)絵麻緒ゆうさんの動きや、呉国の悪宰相星原美沙緒さんと、国を思うあまり夫差にけむたがれ自害した伍封朝海ひかるさんとの駆け引き。また、彼らを始め夫差と西施を取り巻く周りの人物像は大変分かりやすく、全体としては無理がない筋だと思いました。
生徒の配役も適材適所、舞台装置も宝塚らしく大きく豪華で見栄え良かったなと。さすがベテラン演出家・酒井先生という印象です。
それにしても、轟悠さんの存在感は際立ってますね。日本物(この作品は中国物だけど)のメイクの美しさ、踊りや殺陣での形の美しさは他の追随を許さないですね。ラストの燃え尽きていくところなど本当に美しくかっこいい!涙はこれっぽっちも出なかったけど、かっこよさに溜息は何度もつきました。

※併演作品…ロマンティック・レビュー『Rose Garden』 作・演出 岡田敬二でした。




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